Myucroのからだ世界 14

細胞 : cell
さて、真皮の細胞は上皮細胞とは異なり直接他の細胞と接しておらず、基質の中に点在しているので、細胞表面には基質と接合するための機能を持っています。また、真皮内の細胞には、常在細胞(resident call /fixed cell)と移動性細胞(migrant cell / wandering cell)の2種類があります。

● 常在細胞 : resident cell
常に組織内に居る細胞です。

○線維芽細胞(fibroblast)
真皮内でもっとも数が多く存在する細胞は線維芽細胞(fibroblast)で、間葉細胞からの分化(differentiation)の事例としてもっとも一般的である。多糖(polysaccharide)、タンパク質(protein)を分泌し、細胞外に有る成分と反応して粘性のある基質と、線維を生成する大切な役割を負っています。別な見方をすると、自分に必要な生活環境を自給自足している細胞であると言えます。

線維芽細胞には、活動期の状態と休止期の状態があります。fibroblast は活動期の細胞を指し、休止期の細胞をfibrocyte (線維化関連細胞、線維細胞)と呼ぶ区別の仕方がある様です。

活動期 : 不規則な突起(cell process)を伸ばし、核は大きく細胞内の各器官が活発な状況を示している。

休止期 : 真皮が一定の状態に達すると線維芽細胞は活動を停止し、紡錘形となり細胞自体が小さい。

成人の線維芽細胞の形状は紡錘形と記述している資料が有るので、成人期にはほぼ休止期の状態にあると考えられます。なお、皮膚に損傷を受けると線維細胞は線維芽細胞に戻り、状況に応じて細胞分裂をして活発な活動を示して必要なの線維を作り出すとの事です。
注 : fibrocyteがfibroblast の様に外傷の修復に関連するとの記述は見つけましたが、fibroblast の休止期の状態、との明確な記述は多くは見つけられていませんので、今後も確認の作業が必要だと考えています。

なお、ノーベル賞を受賞された京都大学iPS 研究所の山中教授は、世界で始めてマウスの皮膚の線維芽細胞からiPS細胞(人工多能性幹細胞)を作ったとの事で、今まさに再生医療分野で脚光を浴びていますし、ガン転移との関わりも議論されている様でまだ解明途上の分野です。これは線維芽細胞自体に様々な細胞に変わりうる能力が有る、と言う事実であると思います。

その他の常在細胞は以下の通りです。
大食細胞(macrophage)
脂肪組織 (adipose cell)
肥満細胞 (mast cell)
形質細胞 (plasma cell)

余談ですが、私たちは外胚葉由来、内胚葉由来、中胚葉由来と言った様に各組織や器官を発生に立ち戻った由来に区分する時があります。ちなみに真皮は中胚葉由来という事になります。上記の様に皮膚の線維芽細胞から全身の組織や器官となり得るiPS細胞が作られたと言う事は、どこの胚葉に属するかと言うことはあまり意味を持たないのではないかと思います。