RE THINK 6

第二部

(P.121) この世界に新しいものが何もないと結論づけるのは間違いだ。それどころか、そう決め付けるのは思想史を考える上で大きく逆行する事になる。

(P.124) ニュートンがアイデアを得ることができたのは、当人が生きた時代の人間の知識と技術の水準が出発点となったからである。

【(P.15) 「孤独のうちに生み出される発明はない」と同様の指摘。その時代はその前の時代を踏まえて、前進あるいは後退する。その時代に生きている人が状況を俯瞰してみる事ができるのか、あるいは俯瞰した視点はその時には必要がないのか。】

(P.124) 新奇性と破壊性を強調しすぎる今日の文化を生む原因となったのは、ニュートン以来の、科学的発見と技術革新の壮大なストーリーを伴った成功である。なんとしてもオリジナルであり、先例がなく、過去をすっぱりと断ち切ったものでなくてはならないというのが、革新についての支配的な考えである。革新の勝者は、発見がややもすると再発見であることを忘れている。これは、歴史と思想が永遠に輪廻し、古代の哲学書への服従が絶対だった近代以前の、もう新しいものなど何もないという空気に戻ろうという意味ではない。

【「革新の勝者は、発見がややもすると再発見であることを忘れている」は、その当事者が自分の行為を俯瞰的に認識する事の難しさを言い表しているのではないか。この本は、単に事実を後付けで解説しているだけなのか。歴史を後から追いかけているだけでは、何も生まれない。】

(P.128) 心がどのように働くのかは誰にもわからないのだから、それをブラックボックスだと考えて、インプットとアウトプットに集中してはどうだろうか。インプットは見たり聞いたりする事などで、アウトプットは話す事や行動である。つまり私たちの物理的挙動だ。行動主義(心理学の学派) [後に、認知革命にとって変わられる]

【行動主義 : 意識は全く主観的事実であり、客観的 に観察 できないから科学の対象となりえないとし、直接に観察できる行動を対象にし、その行動に自然科学的方法 を適用して、複雑な行動もすべて刺激と反応の結合で説明しようとする。】
【認知革命 : 学習者の認知過程と学習者の積極的役割を重視し、観察可能な行動から内的過程、心的構造を科学的に推測しようとする】

(P.133) フォン・ノイマンが何百人ものロシア人を即座に殺す事を提言するのに使われたゲーム理論 →  シェリングにより、核の発射を回避するのにうまく使われた。?
セールスの手腕や古代ギリシャの歴史から → シェリングの「プレコミットメントの戦略」核の抑止力

【プレコミットメントの戦略 : 交渉を構成するコミットメント(約束、契約、制度)を解明する方法。コミットメントを解明することによって交渉をめぐる各々の利害、合意や決裂の可能性を明らかにする。抑止について考える場合、一方は自らが被害をうけた際に報復するという誘因を相手に伝達するが、この伝達によってコミットメントは相手にとって判断の前提となる交渉結果を認識させる装置として機能する。→ 抑止効果】

(P.136) カトリック司祭 ジョルジュ・ルメートル「宇宙はある有限の昔、巨大な爆発によってその生涯を歩み始めた」「多宇宙」→ 定常宇宙論(宇宙は多数ある) → 宇宙マイクロ波背景放射の発見による定常宇宙論の否定 → 明確な始まりをもたず永久に存続する定常状態の宇宙「多宇宙」

(P.149) 全ての発見が再発見である事について、科学革命以前の人々のように議論することは、もはや意味をなさない。ピカピカの真新しいアイデアも、驚くほど古いルーツを持っているのかも知れない。
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(P.154) 何世紀も放置されていたその考えがにわかに息を吹き返し、再び必要とされるまでになったのは、それなりの理由がある。

(P.155) 2500年前の数学者・哲学者 ピタゴラス (あらゆるものは知的だ) 「汎心論」(いたるところに心)

【私は[P. 150 – 178]の 内容に興味持てず、この間はスキップする。私は人間の全ての思考パターンに興味がある訳ではない。】
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過去に間違ったアイデアの復活
例 地球の平面説
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