群れる細胞

2021/01/10付日経のサイエンス面に掲載された、「群れて賢く 個を超える -協調の方程式-」と「細胞内の構造、自発的に生成」を読んで、妄想が広がった。

「群れて賢く 個を超える -協調の方程式-」は、構成単位の協調についての記事である。隊列を組んで飛ぶ鳥、群れて移動する魚、個々を構成する鳥や魚が協調して、あたかもその群れが一つの生き物の様な行動を示す。「群知能」(swarm intelligence)と言うそうだ。個々の構成員が自己の存在を主張する事よりも、自らを含む群全体の効率を上げる社会のルールが自然にできる。

小魚は群全体で大きく見せれば天敵に捕食されるリスクが減る、と言う様な説明を受けた記憶があるでしょう。ではどうやってそのルールを習得したのかは、研究途上の様である。

「細胞内の構造、自発的に生成」は、一定の条件下において細胞内に細胞小器官と呼ばれる細胞内の構造が自発的に作り出される事に成功した、との内容である。私たちを構成する細胞は何億年も前にたまたまできた条件下で偶然できたかも知れない、と言う事だと理解しました。

これからは私の妄想です。

まず、私たちが生命と呼んでいる状態を作り上げ、維持する細胞はたまたまできあがったと考えられる事。さらには細胞がより集まってできているこのからだは、細胞自らの群知能によってこれまた偶然の連鎖でできあがったのではないか。

「細胞」がお互いに情報を受け渡ししている事はすでに確認されている。従って、細胞を一つの独立した「個」と捉えた時、「群れて賢く、個を超える」と言う現象が発生すると考えられないだろうか。

蟻、虫、動物、小魚を「細胞」と置き換えた時に、同様の行動をすると捉えた時に、どのような行動原理が成立するのか。例えば、細胞同士がコミュニケーションをとっている事は、「知性」を持っていると考えられる。

ここで言う「知性」とは、

  • 自己の存在を認識する。
  • 他と自己の違いを認識する。
  • 協調か排他が識別できる。
  • 生存する意欲を持っている。
  • 逆に考えると、死滅が分かっている。

なお、「認識する」、「持っている」、「分かっている」は多分に本能的なレベルであって、論理的思考を意味しない。

従って、互いに協調して生き残ろうとする事は自然であろう。

私たちのからだがこの様なできあがり方をしていると考えた時に、ボディワークなどのアプローチは新たな局面を迎えるにではないだろうか。

参考資料 : 2021年1月10日付 日本経済新聞 26面 サイエンス記事

  • 群れて賢く 個を超える -協調の方程式-
  • 細胞内の構造、自発的に生成