ウォーキングの科学 8

[P.18] 運動強度に比例して、エネルギー源としての糖質の占める割合が徐々に上昇

エネルギー源として「糖質(炭水化物―食物繊維)」と「脂質(脂肪)」がある事は知っている。ここに関する疑問は、有酸素性機構において、エネルギー源が糖質と脂質の両方である事です。無酸素系のエネルギー源は数秒で無くなってしまうのではなかったけ?

[この問いかけ自体、本人の私にも何を言おうとしているのか、わかりません。それ程頭がグチャグチャしていたと言う証拠です。]

運動の時間、強度とエネルギー源との関係はどうなのか? まず、知識の整理から始める。

○ エネルギー源

  • 直接的エネルギー源 : ATP (分解してできるエネルギーを体内の全ての代謝で利用)
  • 間接的エネルギー源 : 糖質(血液中のグルコース[血糖]、筋肉中に蓄えているグリコーゲン)、脂質(血中の遊離脂肪酸、筋内中性脂肪)、乳酸、タンパク質(ごく少量のアミノ酸も場合によっては使われる)

なお、時間経過に伴いエネルギー源が変わる。

○ 運動強度とエネルギー源

  • 安静時、強度の低い運動時 : 脂質 > 糖質
  • 50%VO2max 以下 : 糖質、脂質 が約50% (中程度の運動 : 脂質、糖質が同等)
  • 中程度の運動を長く : 遊離脂肪酸の動員により脂質の利用比は時間と共に増大
  • 50%VO2max( 強度の高い運動) : 脂質 < 糖質
  • 100%VO2max : 糖質のみ

エネルギー源としては、糖と脂肪はどちらも使われている。糖は使いやすいが、貯蔵量は多くない。

○ 運動強度と燃料代謝調節

運動強度に比例して、代謝系が脂肪酸化から、グルコース酸化に移る。

  • 25%VO2max (低い運動強度) :  血漿中の脂肪酸とグルコースでほとんどのエネルギーが供給される。
  • 65%VO2max (中程度の運動強度) :  筋肉内で中性脂肪の代謝が最大となる。末梢の脂肪組織からの中性脂肪と骨格筋内の中性脂肪の分解が同程度にエネルギーを供給。
  • 85%VO2max (高い運動強度) :  脂肪の燃焼エネルギー供給が減少。交感神経の活動で、血管収縮により脂肪組織への血流の減少した結果、血漿中の脂肪酸量が減少。筋肉の解糖系を刺激して、グルコースの取り込みが高まる。

○ 遅筋線維、速筋線維の特徴

  • 遅筋線維 : ミトコンドリアが多く、乳酸から戻ったピルビン酸を元にATP を合成する能力が高い。(有酸素系のエネルギー源を活用)
  • 速筋線維 : ミトコンドリアが比較的少なく、糖の分解活性が高い。乳酸を産生しやすい。(解糖系のエネルギー源を活用)

ミトコンドリアは好気呼吸におけるエネルギー産生の場として、重要な細胞小器官であり、極めて運動性が高くて、細胞質内を移動したり、ATP消費量が多い部位に局在する。ミトコンドリア同士で融合、分裂などを行い、常に柔軟に変形する。

参考資料: