Myucroのからだ世界 21

私が改めて皮下組織の文献をあたってみようと思いついたのも、従来の死体を解剖して人体を究明する方式とは次元の違いが有る、「生きたままの体内を観察できる」と言うアプローチの一端を確認したかったからです。そこから人体組織の位置づけが行われ、その結果として私達の「からだ」への迫り方の変化が見えてくるのではないか、との期待です。

今回、生きた生体の目に見える情報源として「Architecture of Human living fascia」(以降、AHFと表示)、既存の概念にとらわれていない資料として「Layers of abdominal wall」(以降、LAWと表示)、更に日本語の資料として「皮下組織」(ドクターズオーガニック)をベースにします。ただし、各資料の寄せ集め・最大公約数的な内容にしたのでは実態が不明確となるため、その様にはしない積りです。

さて、皮下脂肪と言われる様に、皮下組織は脂肪の貯蔵場所としての役割が有ります。AHF – figure1.30[ビデオ画像]を見ると脂肪小葉は面長な米粒状である事が確認できます。この様に貯蔵の機能を持っているのは白色脂肪組織(white adipose tissue)です。脂肪組織には褐色脂肪組織(brown adipose tissue)も有りますが、こちらは脂肪を燃焼する働き(thermogenesis)を持っています。乳幼児期には存在しますが、成人のからだにはほとんど存在しません。

皮膚層と筋肉層の間にあって、エネルギー貯蔵し、必要に応じて体内に放出し,また脂肪組織が有る事で熱を遮断して体温の維持に役立ち(断熱と保温)、更にクッションの役割も持つのが特徴です。なお、まぶた等の一部部位には脂肪は有りませんが、脂肪組織はからだをほぼ覆い尽くしています。

LAWを参考にすると、皮下組織は3層から構成されています。浅部脂肪層、膜質層、深部脂肪層です。ただし、この構造については認識の違いがまだあるとの事で、LAWのreference欄には、同様の認識を持った文献、そうではない認識の文献が、各々紹介されています。

参考資料 :
Layers of the abdominal wall : anatomical investigation of subcutaneous tissue and superficial fascia
Luca Lancerotto 他
Architecture of Human Living Fascia. Jean-Claude Guimberteau , Colin Armstrong
皮下組織 ドクターズオーガニック
プロメテウス 解剖学アトラス 解剖学総論/運動器系