Myucroのからだ世界 34

余談ですが、骨格筋を、ボディワークとは全く違った角度で見ている分野がある事に気がつきました。畜産系の分野です。こちらでは、骨格筋は赤身肉として私達の食卓に供される食肉の認識であるし、霜降り肉は筋肉内脂肪組織の蓄積という事になるようです。

本題に戻ります。ここからは、骨格筋の構成要素を見ていきます。

筋細胞から始めます。

筋細胞(myocyte)あるいは筋線維(muscle fiber)は、筋芽細胞の融合により非常に長い形状で、複数の細胞核を持つ細胞(多核細胞multinucleate cel)である事が特徴です。とは言え、一般の細胞と同様に細胞膜(筋鞘、筋形質膜 sarcolemma、plasma membrane、cell membrane、cytoplasmic membraneなどと呼ばれます)により、物理的に独立しており、内部は筋形質(sarcoplasm)で満たされており、その中には核(nucleus)、ミトコンドリア(mitochondria)、 ゴルジ装置(Golgi apparatus)など、他の細胞と同様に含まれています。ただし、核や細胞内小器官は筋原線維と混在するのではなく、筋細胞の辺縁部に偏ります。

筋細胞内の最大の特徴は筋原線維(myofibril、myofibrilla、myofiberなど)と筋小胞体(sarcoplasmic reticulum: SR)の存在です。

筋原線維は筋フィラメント(myofilament)から構成されていますが、サルコメア(筋節 sarcomere)と呼ばれる単位毎にまとまっています。この辺については、横紋筋の名称の由来も含めて、たくさんの資料が有りますので詳細は割愛します。

なお、サルコメアを輪切り(長軸と垂直方向の面)にすると、亀の甲羅の様な正六角形(regular hexagon)の真ん中にミオシンフィラメント、6つの頂点にアクチンフィラメントが位置する立体構造を示します。その関係を保ったまま、上下・左右に亀の甲羅が連なってサルコメアの束、すなわち筋原繊維の太さが出来上がります。

従って、一本のミオシンフィラメントは6本のアクチンフィラメントと協働しています。一方、一本のアクチンフィラメントは、3本のミオシンフィラメントと関連する事になる。また、長軸方向にはサルコメアが連なって長い線維を形作りますので、筋細胞内には筋原線維がギッシリと詰まっています。

参照資料 :