ウォーキングの科学 16

[P.32] 加齢によって筋力が低下すると、まず、筋肉中のミトコンドリアの機能が劣化する。

ミトコンドリアの機能が劣化、とは何でしょう。

ミトコンドリアは細胞の中にあって、好気的代謝系によりATPを合成するが、その時に細胞を損傷する活性酸素(radical oxygen species 、ROS)を同時に産生する。ただし、ミトコンドリア内の活性酸素消去酵素の一つであるSOD2により活性酸素の活動は抑えられて、からだにダメージを与えない。

コーセーは同一人物の線維芽細胞を30 年以上に渡り観察して老化による影響を研究してきた。その結果、細胞の形態の変化、ミトコンドリアの数の変化は無いが、SOD2の量が加齢により減少する事を観察している。要するに、ミトコンドリアの質の低下である。このために加齢により活性酸素により細胞がダメージを受け易い状態になり、それによりさらに老化が促進する。

この事をもって、ミトコンドリアの機能劣化と言えるのかは不明です。機能劣化と言うからには、好気的代謝機能が弱まると言う事なのかも知れませんが、該当する資料はまだ見ていません。

一方、運動により骨格筋の機能低下を運動により改善される事も報告されている。名古屋大学の研究では、エクササイズ・トレーニング(ET)により、筋肉の微細構造変化、ミトコンドリア機能の改善、筋機能の改善が報告されている。

参考資料 :

  • 細胞内の『ミトコンドリア』の質が加齢とともに低下する  KOSEホームページ NEWS RELEASE
  • ミトコンドリアの働きの低下による筋細胞の崩壊メカニズムを解明 日本医療研究開発機構プレスリリース
  • ミトコンドリアにおける加齢変化と糖代謝 熊本大学大学院医学薬学研究部 西川 武志他
  • 加齢に伴う骨格筋の機能低下が運動によって改善されるしくみを解明 名古屋大学 葛山雅文他
  • 運動に対する骨格筋の代謝応答とその応用   電気通信大学 星野 太佑