別荘地 2

別荘地巡りをしていた時、一人のおばあさんにであった。おばあさんと言っても、私とたいして違わないくらいの年齢の様です。その別荘地はあまり整備が行き届いていない感じで、入り口はぎょうぎょうしい構えでは無い点は良かったが、中の別荘地をつなぐ道路は舗装されておらず、路肩の整備も十分ではない。片側ははるか下まで下がり降っているので、チョット怖い。

入り口からかなり車で登った辺りで、その女性にであった。両手に買い物袋をぶら下げ、ひとりゆっくりと歩いている。周りには家もなく道路は凸凹で、どうしてこんなところを歩いているのか、と不思議に思う。横をすり抜けて先に進んだが、気になるのでバックで戻った。聞いてみると自分の別荘に戻るところで、自分の車が動かないのでバス停から歩いて帰る途中との事です。

別荘地の話を聞きたいので、車で送る事に。住まいの近くまで来ると、道路の上、下には数件の別荘が立っている。かなりの急斜面で、上の家々は見上げる様な位置に有り、下の家は道路から急な斜面に沿って降りた先の削られて平らにされたらしい土地に建つ。上の家は最近売れたと言うので、人気がある場所との事だったが、私はここで生活する事に何か落ち着かなさを感じた。

別荘は30代に手にいれ、ご主人が亡くなられて今はひとり暮らし。小さな駐車場所には、動かなくなった自動車がナンバープレートをつけたまま放置されている。購入当初は素晴らしい景観だったのだろうが、今は下の傾斜地の樹木が成長して、鬱蒼とした木々に囲まれて、下界はかすかに見える程度。でも、ご主人と購入した別荘にはひときわの愛着をお持ちのように感じました。もっとも、娘さんはそんなの要らない、と言っているとの事でしたが。

午後の日差しの中、誰もいない山の中をトボトボと歩いている方でしたが、ご本人は30代の頃のままに周囲を感じ、木々に遮られた景観など気にせず、昔のままに見えているのでしょうか。それはそれで羨ましいと思いました。この別荘をこれからどうするのかと、聞いてみたかったのですが、やめました。

そんな事もあって、私の所有地には良い点があるのではないか、との思いが芽生え始めていました。

4月15日が別荘地整備作業の初日でした。自粛期間のためなのか、高速道路、談合坂サービスエリア、139号線はガラガラで、道の駅も閉鎖されていたので、とてもスムーズに現地到着。途中のコンビニでは一言も話さずに食料を調達できたのですが、トイレはコロナ予防のために使用できないとの事でした。幸い、道の駅のトイレは使用できたので、ひと安心。以降、トイレについては談合坂サービスエリアと道の駅で済ますリズムが定着。

今回の作業では、ヘルメットを新調したが、伐採用の小さなノコギリ、作業着、作業靴などはある物を使用。どんな作業をどの様にするのかは、始めてから考える事にして、まずは現地に行ってみる事にしました。

行って見ると、敷地には雪が大分残っている状態で、やはり寒い土地なのかとの印象です。まずは敷地の中を歩き回って見る。赤松はスッと天を指していますが、雑木の枝は勝手バラバラに伸び放題です。足元は硬い溶岩のはずですが、フカフカとした落ち葉や腐葉土に覆われて歩きにくい。数十年の年月を思い起こさせる感触です。土地の高低差は想像通りで、道路から直ぐの陥没の深さは1メートルはありそう。

敷地境界を示す十文字印の杭は本来は四隅にあるはずだが、道路側一つと奥側の対角線に一つのみで、後は無くなっていた。敷地図面を頼りにすれば、もう二つの杭の位置はほぼ特定できる状態である。実は、最終的に行う事になった本格的な伐採作業のために、作業領域の確認をしていた管理事務所の方が奥側の中間にある杭を探し当てたので、最後にはかなり明確になった。