不整脈 8

最近、不整脈の手術を受けた方が数週間で元に戻ってしまった、との話を聞きました。私は術後から今まで不整脈は発生していないので、先日の診察の折に佐竹先生にその事をお聞きしてみました。

高周波アベレーションには、大きく分けて二つの方法があるようです。
ちなみに高周波アベレーションとは、足の付け根などの太い血管からカテーテルを入れて、心臓内部から不整脈の原因となっている部分を高周波電流で焼き切る処置です。

手術のプロセスは、カテーテルの先には心電図を計測するための電極がついていて、それで心臓の内壁に接触させながら心電図を計測。この計測によって、今カテーテルが接している部分が、副伝導路などの異常な部位であるかどうかがわかるので、異常な部分があることがわかったら、次にカテーテルの先の電極から高周波電流を流す。強い電流によって、カテーテルの先に触れているわずかな領域の心臓組織だけが電気的に焼かれて、細胞は死滅。(国立循環器病研究センター病院の掲載記事から引用)

この手順はほぼ同じだと思いますが、焼き切る時に「点」で焼き切る方法と「面」で焼き切る方法がある。
古くからあるやり方は、「点」の接点に高周波を流す様ですが、佐竹先生の方法は「面」で行うのだそうです。

実物を見た訳では無いのですが、「高周波ホットバルーン」ですから「風船」をイメージしています。すなわち、そこに行き着くまでは萎んでいた風船を膨らませ、異常電流が流れている心臓の内側の壁に押し当て、その面に高周波電流を流す。不整脈を起こしている異常な電流が発生しなくなる原理は同じなのでしょうが、点ではなくて面でその部分の心臓の組織を焼くので、効率良く処置ができる。こんな風に私は理解しました。

ちなみに、私の場合は15カ所程焼いたそうです。普通の人よりかなり多めだったとの事。
そのためか、麻酔から覚めて、最初の言葉は「胸が痛い」だったと記憶しています。手術の午後には麻酔からは覚めましたが、しばらくは身動きしてはいけない、との事。少しづつからだを動かして姿勢を変えることができたのは、翌日の朝方だったと記憶しています。

おかげで、今は不整脈は発生しません。やって良かったと思っています。

参照資料 :
不整脈とアブレーション治療 国立循環器病研究センター病院ホームページ
(不整脈の起こる仕組みなどが、図解入りで分かりやすく説明されています。)