日本酒の味

20歳前後より、アルコール類は常に身近な存在であった。有りとあらゆる類の酒を飲んできたが、日本酒ほど不思議な酒は無い。

8月13〜15日に松本の実家に寄ったり、車山高原の宿を起点に美ヶ原、霧ヶ峰周辺で遊んできた。一族郎等11人だったが、こんな時には大概地場の酒蔵か酒屋で日本酒を調達する。最も、飲むのは私と次女の旦那くらい。
松本の実家に寄る時には、通り道沿いにある亀田屋酒造店(松本市島立)で調達するが、今年のお盆は9連休とのメールが届いていたので、別な調達先を探さねばと行く前から心していた。とは言っても、どこと言って当てなど無い。

ふらふらと車を走らせていると、うまい具合に酒屋を発見。亀田屋さんの酒にしようか、諏訪の真澄、池田町の大雪渓か、色々目移りをしていた棚に変わった包装の一升瓶が有る。

一枚の新聞紙にキチッと包装されており、その上にらラベルが貼ってある。
出荷限定
渓流 朝しぼり
出品貯蔵酒
氷冷熟成酒
アルコール分 20度

「出荷限定」にまず反応。「渓流 朝しぼり」、渓流はなんだか良さそう、朝しぼりとは何だろう、朝に絞るのと昼に絞るのとでは何が違うのか。「出品貯蔵酒」に至ってはサッパリ意味が分からない。氷で冷やして熟成させたお酒は、とても良さそう。

もう一枚のラベルには、製造年月、蔵出し年月 2019.07.A. との表示。したがって、ついさっきできた酒では無さそうである。2,410円(税抜き)はかなりの値段なので、棚の他の酒と比べてしまう。

よく分からないが、「出荷限定」や「氷冷熟成」の赤文字が決め手になって、購入する事に。
そう言えばと、かなり前に松本駅前にあるスーパーの食品売り場で、同じように新聞紙に包まれている日本酒を購入した事を思い出したが、味までは覚えていない。したがって、かなりの冒険であった。

夕食後、一日中気になっていた一升瓶を部屋で開けてみる。
印象を何と表現したら良いのか? 混沌、トゲトゲ、ザラザラ。様々な主張が有って、良く分からない。ほとんど下戸の長女の旦那と酒呑みの次女の旦那に飲ませたが、両名共に甘いのか辛いのか分からない、と。誰ももう一杯と言わないで、酒盛りはお開き。2,410円がズッシリと重い。

今回、次女家族は初めての予防接種が控えているとの事で、1泊のみで帰宅する。いつもだと、余ったお酒は飲み助に持ち帰ってもらうのだが、今回は持って帰ってとは言い出せない。不味すぎでした。
川に流して、始末しようか。呑んでも異常は無いから、勿体ないし自分で飲もうか。

2日目の夕食前。一升を空にするのは大変だからチョット減らしておこうと、がまして呑んでみた。ところが。昨日とは違って、麹のふくよかな香りが口の中に拡がってきた。「うまい」。掘り出しモン‼️

口を開けた事で、熟成が進んだのではないか。

熟成が進んで日本酒の味が変わる。これは亀田屋さんの量り売りのお酒で体験しています。車で行くので、その場では味わった事がないけれど、冷蔵で持ち帰ったお酒をまず飲み、冷蔵庫で保管して翌日に飲む。そのまた次の日に飲む。ドンドン味が変わります。ちなみに、8月の辛口原酒の量り売りの日は24日、25日と道端の看板にありました。

家に帰って、須坂市の遠藤酒造場を調べてみましたが、新聞包みの日本酒はアマゾンでも売っているようです。新聞紙に包んでいるのは、光を遮断するためなのだそうで、最高の貯蔵保管方法何だそうです。

参考資料 :
遠藤酒造場 ホームページ
亀田屋酒造店 ホームページ