SEOってなに? 3

*1.3.  Design goals

*1.3.1  Improved search quality

検索エンジンの品質向上がゴールである。1994年当時、最適なナビゲーション・サービスはWeb上のほとんど全てを探して見つける事を苦もなく行う事、だと考えられていた。(The best navigation service should make it easy to find almost anything on the Web.) ただし、1997年頃には、検索結果の品質は、インデックスの完璧さが唯一の要素では無い事に、人々は気がついた。

何故かと言うと、システムに検索されたドキュメントの数は桁外れに増え、一方では人間の能力がそれに追いついていないためである。人々は相変わらず検索結果の最初の数十を見たいと思う。従って、コレクション・サイズが大きくなる時、極めて高い正確さ(precision)、すなわち検索結果のトップ10の中に在る関連するベストなドキュメントの数、を備えた道具が必要になる。

そのためには、ハイパーテキスト的な情報を活用する。実際には、リンク構造(link structure)とリンク・テキスト(link text)が、関連性判断と品質フィルタリングのために、多くの情報を提供する。

*1.3.2.  Academic search engine research

Webは時と共に商業的になってきて、検索エンジンは学際的な情報から商業的情報を扱う。このため、検索エンジンの開発は企業が行い、詳細な技術的内容はオープンにされなくなった。

興味深いのは、以下のような宣言をしている事です。

Googleと共に、我々は学際的な領域で、さらなる発展と理解を推し進めると言う、強力な目標を持ちます。With Google, we have a strong goal to push more development and understanding into the academic realm.

まだ、研究者としての初々しさを感じる文章です。どの時点から、今のGoogleへの舵を切ったのかとても興味が湧いてきました。

その他の重要な設計目標は、適正な数のユーザーが実際に使えるシステムを作る事である。大変興味があるリサーチの多くは、現代のWebシステムから入手できる膨大な使用データを活用できるので、活用法は大変重要である。我々の最終的な設計目標は、厖大なWebデータに今までに無いリサーチ行為を提供できる構造(architecture)を構築する事であった。画期的なリサーチ使用をサポートするため、Googleはかき集めた実データ全てをを圧縮して保管する。

Googleをデザインする上での我々の主たるゴールの一つは、他の研究者が素早く入り込んで、Webの大部分をプロセスし、そうでもしなければ生み出す事がとても大変であった興味深い結果を生み出す様な環境を準備する事であった。

我々が持っているもう一つのゴールは、研究者あるいは学生さえもが望み、我々の厖大なWebデータで興味深い実験をする事ができる、宇宙空間でのスペースラブ(Spacelab)の様な環境を構築する事である。

この章で気になった点は、最後の文章の様に現在系であったり、その他のほとんどの文章が過去形である事です。特別な意味があるのか、無いのか? 過去形で書いてあると、かってはそうだったが、今は違うと言った意味合いがあるのだろうか、などと考えてしまう。

参照資料 :

  • The anatomy of a large-scale hypertextual Web search engine. Stanford University Sergey Btin、Lawrence Page  (発表に際してFull versionと配布用のShorter versionが用意されていた様だ。)