Myucroのからだ世界 18

○ 再構築期 remodeling phase または 安定期 maturing phase
コラーゲン線維産出が十分になると、線維芽細胞の活性が落ち、コラーゲン線維の生成が少なくなり、次第に新規の生成と古い線維の分解吸収が均衡する。

なお、再生した表皮の下の組織は真皮に変わる訳ではなく、瘢痕組織(scar tissue)としてずっと残る。瘢痕組織は真皮に比べてコラーゲン線維の配列は不規則なので、一説によると強度は本来の組織の80%程度との事で、見た目でも周りの皮膚とは違って見え、色が違っていたり、盛り上がったり、くぼんでいたりします。

創傷修復は、上記の様に壮大な生命活動です。

特に、今話題の中心である真皮内では、炎症期に白血球などが傷口に向かって遊走したり、線維芽細胞が創傷を受けた場所に移動してI型コラーゲンを産出して肉芽細胞を形成したりします。したがって、細胞が最適な場所まで遊走できるためには、それに見合った真皮内の状況が準備される事になります。

ちなみに、細胞遊走の仕方にはいくつかのパターンがあります。
@ 細胞浸潤 : 細胞外マトリックス(ECM)分解やタンパク質分解を介して、ECM内を目的個所に移動
@ 創傷治癒 : 細胞が創傷の間を渡って遊走
@ ハブトタキシス : 細胞が細胞接着サイト、細胞外マトリックスに結合した走化性因子の濃度勾配に沿って遊走
@ ケモタキシス : 細胞がケモカインなどの走化性因子の濃度勾配によって遊走
[参照] 特集 : 細胞遊走アッセイ コスモ・バイオ株式会社

参照資料 :
傷と治療の知識 NPO法人創傷治療センター ホームページ
創傷治癒 朝霞台中央総合病院 大沢草宣
Understanding the healing stages of wounds. WOUND HEALING
The 6 steps of the wound healing process. WOUND HEALING
細胞の運動性評価法 畜産草地研究所 高山 喜晴