ウォーキングの科学 23

[P.45] この皮膚血流の調節系の面白い点は、予測制御系(フィードフォアワード系)であることだ。

内容を整理する。

フィードバック系の事例。

  • 動脈圧受容器(心臓から出た直後に有る、外頸動脈と内頸動脈の枝分かれするところに存在)で動脈圧をモニター。
  • その情報は、延髄の血管運動中枢に伝えられる。
  • 血圧が低下している場合、その後の心臓の心拍数を上昇させて心臓から出る血液量を増加させ、さらに末梢血管を収縮させて流れている血液の流れを悪くする。→ 血圧が上がる。

この様に、目標(理想)値と実際の値を比較して自動的に出力値と目標値が一致するように、後追いで出力を制御する。

フィードフォアワード系に事例。

  • 心臓に戻ってくる血流量を心肺圧受容器(肺血管や心臓の心房壁にある)でモニター。
  • 血流量がそれまでより多い場合、スターリンの法則に従い一回心拍量が多くなるはずである。
  • 心臓から送り出される血液量が増加するのに、動脈血管の締まり具合が今までのままだと動脈圧が上昇する。あるいは、血液量が減少する場合には、動脈圧が減少。
  • 血圧が一定である様に(恒常性を保つために)、増加血液量が流れる時には、血管が拡がっている様に、神経が指示を出す。あるいは、血液量が減少する場合には、血管を狭めておく。

内容については知識がないためコメントできないが、フィードフォアワード系の事例としては以下もある。

温度情報の伝達 :

体温の維持には、深部体温(体内の温度)の感知だけでなく、環境温度(体外の温度)の感知も必要である。環境温度は皮膚の知覚神経末端に存在する温度受容器によって感知される。環境温度が変化した時には、皮膚でそれをいち早く感知し、体温調節中枢へ伝達することによって、深部体温が影響を受けて変動してしまう前に適切な体温調節反応を惹起することが可能になる。このような体温調節様式をフィードフォワード制御という。(体温調節の神経回路より抜粋)

いずれの場合も、からだの恒常性を保つために自動的に行われている生体の反応である。

参考資料 :

  • 体温調節の神経回路   京都大学 生命科学系   中村 和弘
  • 運動トレーニングによる暑熱馴化メカニズム: 能動性皮膚血管拡張神経の役割 能勢 博