Myucroのからだ世界 38

それらの筋束が寄せ集まり、より太い束を構成し、結合組織で覆われます。この結合組織は筋上膜(epimysium)です。ところで、筋内膜、筋周膜、筋上膜には組成、強度、役割など、明確な区別があるのでしょうか。目を通した資料の範囲では、違いを明確にする記述には出会いませんでした。(この点は私の力量不足かもしれません。)

なぜ、筋内膜、筋周膜、筋上膜と呼ばれる様に、結合組織が筋細胞群を取り囲む構造なのでしょう。

からだにおいては、結合組織は薄く広がりコラーゲン線維や糖とタンパク質の複合体などで構成された格子状の集まりで、全身の器官の隙間を埋め尽くしています。

見方を変えると、原始生物体内は結合組織様の物体でまず構成されていて、特定の機能を持った器官がその中に後から生まれてきた、と考えた方が自然ではないでしょうか。こうすると、結合組織(あるいは、筋膜とも言われる)が切れ目なく全身に広がるネットワークである事は当然です。

また、結合組織はからだの内部で張力が掛かる部位では、その張力の方向・強さ・頻度などによって、線維が特定の方向にそろったり、線維の太さ、長さ、縮れ具合などが変わる性質があるため、近接する筋線維群内の応力のかかり方で筋線維束のある範囲を囲む結合組織は、他の部位の結合組織とは違った組成となった。

結合組織と筋細胞は互いにある程度入り組み・絡みあい、結合組織に含まれるコラーゲン線維やプロテオグリカンなど構成要素が密な部分、疎で筋細胞と混ざっている部分などが混在する。全体がアナログに連続し、しかし組成の一部組成を変更して、特徴が際立った部分とそうでないと部分が有る。よく見かける筋肉の説明図の様に、結合組織が膜状とは表現されていてもゴム膜のように明かに分離している訳ではありません。


参考資料 :

  • Structure and Function of the skeletal Muscle Extracellular Matrix   by Allison R. Gillirs他
  • Strength at the extracellular matrix-muscle interface    by M.D.Grounds他
  • The structure and functional significance of variation in the connective tissue within muscle  by Peter P. Purslow
  • Role of extracellular matrix in adaptation of tendon and skeletal muscle to mechanical loading.  by Michael Kler
  • Force transmission between synergistic skeletal muscles through connective tissue linkage. By Huub Mass他