イワシのゴマ漬け 2

銚子の灯台辺りから飯岡の漁港、その南の九十九里辺り、さらに南の勝浦辺りが気に入っています。特に、銚子には漁協直営店が有って、新鮮な魚を安く買えることが魅力でした。サバ、イワシ、キンメ、ほうぼう、それに冬の季節にはアンコウなども。でも、漁協のセリ場が改築されると同時に、直営店は食堂に変身。

銚子の直営店で魚を手に入れて、急いで家に戻って自分で調理する、と言う習慣が出来上がっていたのですが、直営店が無くなってからは、私にとっては魅力が無くなった銚子にはほとんど行っていません。そう言えば、無印で見つけた折り畳みのできるクーラーボックスを、車に常備する習慣もその頃できた様に思います。

車を海岸ばたに止め、飯岡の街並みを散策して見つけた魚屋で刺身を作ってもらい、コンビニでビールを調達して、午前中のまだ早い時間に黒っぽい硬い砂地が拡がる海岸で風に吹かれて一人酒盛りをして、夕方迄ボーッとしていた土曜日。(今はその様な飲酒運転はしておりません。) ちなみに、飯岡の特徴はシラスと釣り船ではないでしょうか。シラス(鮎やウナギ、イワシ、ニシン、イカナゴなどの魚の稚魚の総称)の販売店が有りますし、数隻の釣り船が係留されていました。

そんなドライブの中で、片貝漁協で直営店を始めるとの事を聞きつけました。「おさかな新鮮大使」です。私が気に入っているこの店の特徴は、やはり背黒イワシの販売です。歩いて数分の岸壁で水揚げされたイワシが軽トラで運びこまれます。

岸壁に有る取引所(正式名称は知りません。)の掲示板には、船名と水揚げ量、入港予定時間などが記入されており、時刻になるとワラワラと人が増え出し、大きなトラックが何台も集まり、船を待ちます。

岸壁に横付けされた船からまずひと拯いのイワシが揚げられて、底の浅いブリキの平台にザッと開けられます。周りに集まった皆さんは指先でイワシの腹を裂いて品定めです。私はその環のすぐ後ろから覗き込む、でも邪魔しない様に細心の注意。動き回るリフトも横目でチェック。今日の背黒はどうですか、ぐらいは近くのおじさんに聞いてみます。

そうこうする内に、買い手が付いてトラックにドドッと積み込み開始。中には自分用だと思われるバケツ一杯を軽トラで運ぶ人もいる。頃合いを見計らって、港に止めた車を直営店に移動。10時開店だけど8時半頃から店の前にいると、岸壁から軽トラで運ばれたイワシのオケが店の前に並ぶ。氷満載したオケも一緒。