ウォーキングの科学 5

[P.16] 持久力の高い人とは、大気中の酸素を体内に取り込む呼吸器系の能力と、その酸素を筋肉に運搬する能力を持つ。

このような人は、血液、心臓、血管などの循環器系が発達しており、血液中の酸素を筋組織に取り込む毛細血管の表面積が大きい、と言えるのではないか。

ほぼ同意できる内容であるけれど、すこに不足しているのではないか。すなわち、毛細血管とミトコンドリアが内在する細胞との間には、細胞外基質が存在する。毛細血管はからだの隅々、細胞のすぐ近くまで張り巡らされてはいても、細胞外基質の存在は無視できないのではないか、と思う。要は、細胞外基質の状態の良し悪しも大切な要素であると言いたい。これは結合組織をボディワークの対象と見定めている者の主張です。

[P.16] それらの一連の能力を一つの指標で表すのが「最高(大)酸素消費(摂取)量)」

「それら」とは何を指しているのかを整理する。

  • ミトコンドリアで単位時間あたりに多くの酸素を消費できる能力
  • 大気中の酸素を体内に取り込む肺などの呼吸器系の能力
  • 酸素を筋肉に運搬する能力

「全身持久力体力の測定」と言う論文によると、直接および間接に測定する方法はあるようだが、比較的簡便で精度の高い測定ができる指標が「最大酸素消費量」との事だと思う。精度が良いとは、複数回の測定等の値の間での互のばらつきの度合いが少ない事を言い、この本では「再現性が非常に良い」と表現されている。

全身持久力体力は英語では、cardiorespiratory fitness(心肺フィットネス)あるいはcardiorespiratory endurance fitness(心肺耐久フィットネス)と言われる。

refers to the ability of the body to sustain prolonged, rhythmic exercise

参考資料: