ウォーキング 12

ウォーキングの手引書、啓発書籍はたくさん出ています。
試しに手に取って見ると、どの記事、書籍も、足の運び、腕の振り、顎、背中など、部位毎に丁寧な内容です。

それぞれ必要性が有って書かれているとは思いますが、一つ一つに注意を行き渡らせるのはとても大変です。

では、大切な点はなんでしょうか。私が気をつけている事です。
○ 足を擦って歩かない。
靴を「ズッ」と擦る音がしない様に歩きましょう。擦る音がする時は、足の前側で着地している時で、前に進む勢いを殺してしまいますし、足首や膝を痛めます。歩くイメージは「スタスタ」が良いと思います。スタスタ音は、チョット広めの歩幅、チョット早足の時です。
市販のガイド本には、踵(カカト)から着地して、最後に親指の腹で地面にを蹴る、と言った表現を見受けます。間違いでは無いでしょうが、例えば足裏全体でソッと着地して、あまり後ろに蹴らない、忍者の様な歩きも有りますので、歩き方は一通りでは有りません。

○ 目線は前方の遠くに置き、周りを全体にボンヤリ見て、全身で自分の周囲を感じる。
胸を張る、顎を引く、と言ったガイドがよく有りますが、頭(脳)で自分の姿勢をコントロールするのは、とても難しい事ですし、一つの動作を意識し過ぎると、からだ全体のバランスが崩れてしまいます。自分の五感を活用する事で、姿勢がスッと立って来ますし、全体のバランスも保たれます。全身で周囲を感じると、押さえ付けられている様な重い感じが無くなり、からだが(そして、心も)伸びやかになります。伸びやかになった時に身長を測定できれば、それまでよりも実際伸びている事が確認できるでしょう。背が伸びると、目線が高くなり、周りの見え方が変わります。

○ 腕の振りは、強調し過ぎない。
腕の振りを強調し過ぎると、極端に表現するとスキップになります。スキップはからだを上下させながら前に進みますので、前に進みたい時にはとても効率の悪い歩きで、しかもからだのバランスも崩れます。そこまで極端ではないのですが、多くの方は上下動を伴った歩きをされていますし、腕の大きな振りで上体が前後にも動いてしまいます。その余分な動きを相殺するために、また違う新たな動きが必要になる・・・・・。
際限が有りません。理想的には、腰骨があまり上下せずスッスと滑る様に前の進みたい所です。腰から前に出るイメージですと、腕に力を入れて前後に振らなくても十分前進します。私の場合は、腕の振りはからだの動きに連動した自然な揺れ程度で、肩からぶら下がっている感じです。

できるだけ、頭(脳)で自分のからだをコントロールしようとせずに、からだの自然な動きを引き出しましょう。

からだの自然な動きを引き出す事は、素直に自分を理解する事だと思います。ガイド本に正解を求めて、それにからだを合わせるのでは無く、自分のからだでアレコレ試してみる事から始めたら良いと思います。
そうすると、自然に自分のからだを感じる態勢になります。