ウォーキング 20

三浦豪太さんの「探検学校」と言うコラムに興味深い事が書いてある。「山は最高のホスピス」と言うタイトルの記事で、登山が人体におよぼすプラスの不思議な影響について述べられている。

高所へ移動または低地への移動に伴う、変動する気圧環境への血液循環機能の順応
長期遠征における、胃腸の順応
不均一に荒れた山道歩行時の、からだの調整機能
高低差のある道中における有酸素運動と心肺機能・循環機能の改善
下山時の速筋使用による、筋力向上と、それに伴う糖質代謝の改善
など。

私が特に注目した効果は「不均一に荒れた山道歩行時の、からだの調整機能」です。
私達は、普段の生活が平易で、たやすい事を求めて 、障害要素をできるだけ取り除いています。道路の舗装などはその典型で、その存在は日常の活動と直結しています。

「平易で、たやすい」生活は、一方では私達のからだの使い方に制限を与えてるはずですが、その視点はほとんど意識されていません。できるだけ障害要素を取り除く「バリアフリー」は、老齢化の進む現代では当たり前です。

それが悪いと言うのでは有りませんが、私達のからだの機能を十分に発揮できない状況を増やしている点にも目を向けたい。人類は長い間起伏の多い野山で生活してきましたから、その環境で生き延びる事ができるようなからだになっており、そのからだを司る感覚、神経も同様です。

あえて強調すると、その様な環境だから適正に生活できる様に、からだは長い年月をかけてできあがってきた。

そんな事を考えながら、今朝はウォーキングをしてきましたが、改めて確認すると往復の行程は全て舗装されていました。この状況は、田畑が広がり北アルプスを身近に目にできる私の故郷でも同じです。

ウォーキングの際に、街路樹の根が張って凸凹だらけの歩道をあえて歩くと、ブログ「ウォーキング8」で書きました。理由は、木の根が張って凸凹なところに注意して歩く事になり、無意識の感覚を刺激する事を期待してると言う事でした。些細な気遣いですが、改めてその必要性を感じます。

参考資料 :
山は最高のホスピス 三浦豪太 探検学校 2018年10月13日 日本経済新聞