口腔 4

口腔の常在菌(normal inhabitant)のバランスについて考えている時期に、ちょうど「腸内革命」を読んでいました。

細菌にチョット興味が湧いたのでネットで調べてみました。
「目に見えないヒト常在菌叢のネットワークをのぞく」によると、人のからだは細菌(bacteria)にまみれている様です。よく知られた腸内に常在する細菌群(bacterial flora)だけでは無く、外界と接触している、皮膚、目、鼻腔、口腔から肛門まで、咽頭から肺まで、など。言い方を変えると、この世の中は細菌に満ち満ちている。

「ヒト細菌フローラマップ」では、鼻咽腔細菌フローラ、口腔細菌フローラ、皮膚常在菌フローラ、腸内細菌フローラ、泌尿器・女性器細菌フローラなどと区別されています。
話はそれますが、この事からも胃や腸は体外である事が分かる。

一方、血液、体液、脳脊髄および脳脊髄液、皮下組織、腹腔など(いくつかは、私が追加)は無菌状態との事である。これはからだの表面には、数μm(マイクロメートル: 0.001ミリメートル)の大きさの細菌をろ過する仕組みが有る事を意味する。体内に細菌が居る事は人が生きていく上では有害であるために、生存には必要なバリアーなのでしょう。

腹腔が無菌で体液も無菌だから、胎児は無菌状態にいて、我々は出産と同時に細菌まみれになる。

「目に見えないヒト常在菌叢のネットワークをのぞく」によると、常在菌は本来の居場所に定着しているかぎり、通常の免疫力を保っている限りは病気の原因にはならない、との事である。これは生体と細菌の間に均衡を保つ事が重要であると言い換えられる。

からだは悪さをする細菌と均衡を保つために常に戦っているのかと言うと、そんな事は無いらしい。
セロトニンやドーパミンと言った、幸せ物質と言われるものは、腸の細菌が居ることによって初めて生成される様です。 もっとも、「腸内革命」は色々な事をさまざま述べているので、スルスルと読めてしまう分、振り返って頭を整理してみると要点が見えにくいので、私の理解は最低限のレベルでしょう。

細菌については、私が自分の考えを述べる分野では無いけれど、細菌はどこにでも存在して排除できないものであり、そう言う中で健康に生きていける仕組みをからだは持っている、と理解しました。

[補足] 細菌とウイルスの違い
細菌はウイルスよりも数十倍〜数百倍サイズが大きい。
細菌は自分の力で増殖することができるが、ウイルスは人や動物の細胞の中に入らなければ増えることができない。
抗生物質(ペニシリンなど)は細菌を破壊することはできるが、ウイルスには全く効かない。

参考資料 :
腸内革命 腸は、第二の脳である    藤田絋一郎 (コウの字が違いますが、変換対象には表示されませんでした)
図解 ヒト細菌フローラマップ    東京工業大学基金事業
目に見えないヒト常在菌叢のネットワークをのぞく    太田敏子 宇宙航空研究開発機構
細菌とウイルスの違い、知ってますか?  東京医科大学八王子医療センター ホームページ