犬人 ケン・ジン 6

我が家は道路と直接接していません。
そのため、道路を通る人の気配はほとんど感じ無いし、車の往来音もだいぶ緩和されている様です。一方、道路に接した家では、いつでも人の気配や車の往来での騒音などにさらされているようです。そう言う違いに気が付いたのは、来られたクライアントさんから教えて頂いたからで、普段はこの静けさが当たり前だと思って生活していました。

さて、道路に面したとある家にはワンコがいますが、人の気配で良く吠えます。比較するのもなんですが、我が家のワンコは普段はほとんど吠えません。もちろん、家の呼び鈴が押されると、かなり激しく吠えますが。

これから先は、私の勝手な推論(妄想 ?)です。

犬はもともと鋭い聴覚を身につけていますので、わずかな人の気配や物音にも敏感に反応します。従って、道路際の家に住む犬と、我が家の様に奥まった場所に住む犬では、緊張度合い、ストレスのかかり方にかなり違いが有る。そのため、道路に接した家の犬は音に敏感に反応してよく吠えるのではないか。

つまり、犬は生活する場所によって騒音(または、音)に対する閾値(シキイチ)にかなりの差が出るのではないか。
その閾値が低いと、交感神経優位の生活になり、からだへのストレスの掛かり方の差として現れる。すなはち、道路際に住む犬はより緊張した生活を強いられているのではないか。従って、健康の度合いにも違いが現れるのではないか。

人間の生理学は犬にも当てはまり、自律神経システム(autonomic nerve system)の存在、交感神経(sympathetic nerves)、副交感神経(parasympathetic nervous)の切替の重要性は全く同じと考えます。最も、切替のタイミング、頻度などは、人間とは違うと考えられます。犬の方が人間よりも野生の性質が強いために、例えば熟睡している状態(副交感神経優位)から覚醒(交感神経優位)までの時間などは大きな違いが有ると思います。また、交感神経下での、戦うか・逃げるかの判断(fight-or-flight response)も素早く、中途半端ではなくどちらかに強く出るでしょう。

さらに、その生活環境の差は表情にも現れるのではないか、など。

色々言いますが、我が家と別なもう一軒のみの話から出発し、それ以上のサンプルは有りませんので、科学的考察とはとても言えません。悪しからず。