犬人 ケン・ジン 5

少し前は後ろ脚がプルプル震えていました。でも、最近は震えが有りません。

インターネットを見ると、震えは老齢のため、病気のため、との記事が目に付きます。確かに若い時には震えてはいませんでしたので、体力が衰えて踏ん張りが効かない事もあるでしょう。

私は、意識が脚にまで届いていないため、と考えました。
自分のからだの隅々までを感じ、前脚と後脚を地面に踏ん張ってスッと立つ意識です。そうすると、胴部分から首が持ち上がり、目は前方を見据えて顔(耳の付け根から鼻先まで)は地面と平行になります。(前方の何かに興味を惹かれた時や、猫狩りがの時には、この姿勢です)

若い時には神経システムの伝達力が十分に有り、様々な神経情報を受け取り、処理する能力も十分です。従って、ほとんど意識する事なく、あるいは無意識の反射として様々な状況に対応できています。では、年齢が重なるとなぜ若い時の様にできないのかについては、結合組織の性質と関連していると考えます。

さて、どうしたら意識が脚にまで届くのでしょう。
私は、普段から(いつも寝転がって、眠っていますから)、手と足の母指球とその間を指で撫ぜていますが、それに加えて、散歩から帰ったらからだをマッサージして見ました。

顔から始めます。両手のヒラと指で口の横、眉間、耳の周り、首、さらに腕の間に張り出している胸に、そして腕の胴との付け根の深い部分から母指球のある部分まで。

さらに、背中から肋骨に沿ってお腹部分までを優しくなぞります。下側の肋骨から後方は、寝ている時に撫ぜると気持ち良さそうにして伸びをする場所です。この部分は、毛が少なく皮膚を直接刺激するので、両手を滑らせる感じが良いと思います。

最後は背骨に沿って尻尾までと、尻尾の付け根から両脚です。腕にも同様に行うのですが、脚は片方づつ両方の手のひらで挟む様にして胴体の付け根から母指球まで。また、踵から上方に張っている腱(人間で言う、アキレス腱)も、その内側の骨との間の部分も指先でマッサージします。

マッサージをする時には、犬の正面に位置して、前側から腕を伸ばし、安心させて行うのが良いと思います。また、マッサージの目的は、犬がその部分を意識できるようにする事、ですから筋肉、筋膜をもみほぐす様にする必要はありません。

この方法は始めて数ヶ月ですので、経過を観察する必要が有りますが、今のところ良好です。これは同じ結合組織を持つ、我々人間にも通用する事だと思います。

我が家のワンコはある程度年齢を重ねてから、からだのメンテナンスを始めました。従って、それまでの積み重ねの結果としての不具合が有ります。私の知識と経験を踏まえて今その不具合に対応しているところです。

実は、私自身もロルフィングを学んでから、本格的に自分のからだと向き合っていますので、犬人(ケン・ジン)共に歩む、現在です。