口腔 1

「口の中」に意識が向いたのは、20年程前の事です。

ただし、それまで口の中に何の問題も無かった訳では有りません。小さな頃より、歯医者さんには随分お世話になって来ました。歯医者さんにはよく通った思い出に、小学生の頃のある日、診療室が二階に有るその歯医者さんで、見上げる様にそそり立つ階段とそこを上から転げ落ちた記憶が未だに有ります。

乳歯から永久歯に生え替わる時に、入れ替わりのタイミングが悪かったのか、綺麗に生え揃わず大きな前歯2本の両隣から数本は極端に凸凹しています。虫歯に至っては奥歯を中心に、上下とも被り物がついていますし、磨き過ぎと言われている程に、歯が歯茎と接する部分が極端にすり減って、溝ができています。
ただ、親知らずを4本抜いた以外は、一応本数はそろっているはずです。従って、多分28本。

かなり頻繁に歯の治療をしていながら、普通に歯磨きをする以外は、今ほどの注意を払っていませんでした。従って、20年前のそのままでは口の中は崩壊寸前の状態であったと思います。

きっかけは、その当時通い始めた歯医者さんのアドバイスです。いつもの如く虫歯治療に行った折、歯磨きがキチッとできていなかったのでしょう、歯の隙間から食べカスを先の尖った器具でヒョイとすくい上げて見せられました。そして、歯の間もケアした方が良いとの事です。

その残りカスの印象が、とても嫌で、デンタルフロスを使う事にしました。何本かのナイロン糸がこのコの字型のプラスチックに付いたものです。早速始めたのは良かったのですが、ナイロン糸がかなり強靭なため、厄介な事になりました。フロスを歯の間に押し込む時は良かったのですが、抜く時に歯の被せ物の端に糸が引っかかって、力を入れて抜くと被せ物が取れてしまいます。そんな事が数回有った後に、歯間ブラシを教えて貰いました。

私が選んだ歯間ブラシには、サイズが0.6㎜(4S)から1.9㎜(LL)までの7段階が有ります。
最初は当然4Sの極細からで、その極細でも歯の間に通すのが、やっとでした。ちなみに、健康な歯並びでは、歯と歯の間には隙間が有るのだそうです。それまで、私はキッチリ隙間無く詰まっている状態が、良いのだと思っていましたので、全く逆でした。

それから数年間は、極細から中細と少しづつランクが上がり、そしてついに極太のLLサイズに到達です。今では全ての隙間は極太サイズで間に合いますが、ここに至るまではこちらの隙間は4S、こっちはSS、その横はM、と言った風に数種類を使い分けていました。

今になって思うに、以前より歯医者に行くのが格段に少なくなりました。歯医者に行くのは、クリーニングで歯石を取る事が主です。その歯石の付着も少なくなりました。

「8020運動」と言うキャンペーンが有るそうです、“80歳になっても20本以上自分の歯を保とう“と言う事だそうですが、このまま行けばクリアできそうです。

食事の後には、歯間ブラシと磨き過ぎない程度の歯磨きをしていますが、歯間ブラシを通す毎にこんなにも歯の間に食べ物の残骸が残っているのか、と思う日々です。

参考資料 :
8020推進財団ホームページ