Gaku – Inn – Kou 顎・咽・喉 3

サザーランドは、自分の頭にラグビーのヘッドギアで作った特殊なヘルメットを被って、頭の様々な部分を締め付けて自分に何が起こるのか観察したのです。さらに、彼の妻が心理学的インパクトについての日誌もつけていました。実験をしているサザーランドはしばしば非常に困難な状況(多分、肉体的にも、精神的にも)に陥り、回復までにかなりの時間が必要だった様です。

ある場所を締めつけると不愉快になったり怒りっぽくなり、またある場所では、気分が高揚したりするなどの変化を発見しました。頭蓋骨は8つの骨の集合体で、各々の合わせ目は縫合(suture)と呼ばれ、成人ではほぼ固着していますが、サザーランドは実験を通じて、縫合に動きがある事と、固着すると健康や人格にまで影響する事に気がついた訳です。

私は、顎の運動を始めて直ぐに、周辺がつられて動く事に気がつき、サザーランドの実験を思い出しました。私の場合は筋肉や周りの組織が、サザーランドの ヘッドギアの様に頭蓋骨の縫合を締め付けて動きの自由を制限していたのです。そのため、私の気持ちもかなり制約されていたと思います。

よく「怒りで顔がコワバル」などと言う表現が有ります。この時は顔面だけでは無く頭蓋部分もこわばっています。気持ちの怒りが肉体をコワバらせると言う事ですが、反対に肉体がコワバルと心に怒りが込み上がる。これは、いずれも真実です。

肉体のこう着は人の振る舞いを変え、性格にも影響を与えますので、そう言った観点を忘れずにアプローチする事はとても大切だと私は思っています。

そんな事を踏まえて、アベーゼ(Avesee)のホームページ <おからだを整える>には、【時には、「なんとなく気持ちが落ち着かない」、「最近、怒りっぽくなった」なども、からだ(肉体)に原因があるケースがありますので、カウンセリングを通じて最適な施術を提供いたします。】と書きました。

話が飛びますが、以前孫が祖父を殺害した事件が有りました。その事件は、孫がお祖父さんから良く叱られていた事が遠因であった様に記憶しています。

肉体的にこう着状態に陥ると、広い視野で物事を観られなくなってしまいます。私の勝手な解釈ですが、そのお祖父さんもそんな一人ではなかったのではないか。顔面や頭蓋部分は特にこう着状態ではなかったか、と考えられます。お祖父さんは大事な孫が気にかかって、アレコレ気に病んでいたのでは無いでしょうか。いつしか、心配だけが心に残り、叱ってばかりのお祖父さんになってしまった。

どなたかが、顎を、からだを柔らかくする様にアドバイスされていたら、悲惨な事にはならなかったのでは無いだろうか。
私自身、顎が柔らかくなり、頭蓋部分が軽く感じられる様になって気持ちも楽になって、そんな事を考える様になりました。

参考資料 :
プロメテウス 解剖学アトラス 口腔・頭頸部
An Introduction to Craniosacral Therapy   Rhythm & Touch.   Anthony P. Arnold