頸椎ヘルニア 1

頸椎のヘルニアは、私自身が経験しているため、その苦しさは良く理解できます。
約30年程前の40代前半でした。ある日から、ジョジョに左肘がシビれる様な痛みが現れました。肘だけではなく肩先から指先までの関節付近に鈍痛であったり、鋭い痛みであったり、シツコク止む事なく続きます。

このまま、一生この状態が続くのか、いっそ肩から切り落としてしまいたい、そんな思いの日々でした。

幸いにも、良い治療院にめぐり合うことができて、一回の施術で治ることができました。(私のブログ: 不整脈 続3をご一読ください。) 私自身は不思議な治療を受けましたが、とても一般的な方法とは思えません。それは治療者の深い経験と特別な感覚によって初めて可能であったと理解しています。私は体験していませんが、当時は牽引や温熱療法などが一般的であったのではないでしょうか。

3年程前になりますが、知合いがやはり頸椎3番のヘルニアと病院で診断されました。
右側のヒジおよび指にシビレが出ていました。自分の経験からして、不快なシビレの状態と、先の見えない不安におそわれている心の状況はとても良く分かります。触診すると、からだは不快感とシビレのためにとても緊張していました。

どの様な処置をすれば良いのか? 病院なのか、それ以外なのか、と迷っている様でした。付き合いが長く私を信頼してもらっていましたので、その時から私が良いと思う処置をさせて頂きました。直接患部への処置は行なわず、からだの緊張除去と心の不安感低減を目指し、患部は自然治癒を待つ事にしました。2014年7月の事です。

触診をして見ると、からだの緊張は患部付近に留まらず全身に及んでいます。月1回の処置を行う事として、からだに触れる前に、まず状況の確認から始めました。仕事をされていましたので、会議などでじっと座っている時に、特に痛みを感じる様です。状況の確認から始める事は、前回処置からの変化を把握する事は当然ですが、溜まっている気持ちを吐き出してもらう、そう言った意味が有ります。からだに障害が起こると、いつまでこの状態が続くのか、と言う将来への不安がとても強く、気持ちが萎えてそれがまた不安を膨らませます。大事な事は、膨らんだ不安をしぼませる、です。

施術でのからだの緊張除去は、全身にはびこっているコリ感をほぐして自然な姿勢を取り戻します。自然な姿勢を取り戻すと、リラックスして、時には施術中に眠ってしまいます。ああ気持ちが良いと思える事は、すっかり忘れていた自然な気持ちを取り戻す事です。

しばらくした2015年1月の処置記録には、ヘルニア改善、腕の痛み無し、頸椎・腰椎に痛み、との記述が有りますので、この時点で改善の兆候が見られたと言う事です。その後も状況は良く、1年かからずに以前の元気な状態に戻りました。

世の中には、頸椎ヘルニア処置に対して色々なアプローチが有ると思いますが、こんな対応も有るのではないでしょうか。

参考資料 :
頚椎椎間板ヘルニア 日本脊椎外科学会ホームページ