サーバー移転 10

自分の言葉で理解する、あるいは自分の身近な言葉に置き換えてみる。

これはとても一番大切な作業ではないでしょうか。物事の全てに対して行う必要はありませんが、気になる事については、時間をかけて、ジックリと自分なりの表現で言い直す。そうしないと、気が済まない時が有りますし、そうする事で、何か分かっている様な気分になっていた事が、実は全く理解していなかったと言う事実が明らかになる時があります。また、自分の言葉で問いかけをする事で相手が誤り、あるいは勘違いに気がついて、正しい答えをくれる事も有ります。

私は「ブラックボックス」との対語(反対語)として、「自分の言葉で理解する」を使用しています。ブログ iPhones 6でも、ブラックボックスと言う言葉を使用しましたが、聴いたまま見たままでそのまま放置している、あるいは他人の言葉をそのままおうむ返しに使っている時、流されている様な気分になる時はありませんか。

これからの世の中には、ブラックボックスが増えるのではないか、と危惧します。「危惧」ですから、悪い事、我々にとってマイナスな事と捉えています。

ところで、ブラックボックスとは、何でしょう。その中を物、事、など万物が通過、またはそのものと関係を持つと、何らかの変化、変質が行われる(プラスやマイナスの付加価値が生まれる)のだが、中身が何であるか、何が行われるのか、どのような仕組みなのか、どの様な過程で行われたのか、が分からない機構、機能、と考えます。

では、なぜこれからますます増えると考えるのでしょうか。
それは、身の回りにある重要なものが、目に見えたり、触れる事ができる固形から、目には見えない、または触れる事のできない無形に移って行く、と考えるからです。固形であれば、バラバラにして内容物や仕組みを確認できる。一方、無形は見る、触れると言った五感での確認ができない。

それでは、私が言いたい「無形」とは、いったい何なのか? 例えば、3月12日(2019年)の日経に、「G7、デジタルサービスの消費者保護で指針」と言う記事が有ります。

この記事には、消費者が不利な条件でサービスを使うことを防ぐ、と言う言葉が出てきます。個人データが不透明な手段で収集される、検索サービスの表示方法の条件が分からない事や口コミサイトなどのランキングの決定条件が分からないので消費者の判断が歪められる、などに問題点が挙げられます。

また、中国の通信機器大手である華為技術(ファーウェイ)が、中国人民解放軍のサイバー戦争部隊に特殊なネットワークサービスを提供しており、西側諸国の安全保障上の問題が有る、との報道が昨年より激しさを増しています。

これらは物と言う形ではなくて、ソフトウェアが主体でありロジックでコントロールされます。

これからの世の中では、自分の言葉に置き換えてどれだけ理解できるのか、または自分の言葉で理解しようとチャレンジして行く事が、ますます大切であると考えます。

追記 :
昨年10月および今年(2019)3月に起こった、ボーイング737MAXの墜落事故の原因としてソフトウェアの内容が指摘されている事を加えておきたい。ソフトウェアはロジックの塊であり、その正否は外部からだけでなく作成者にとっても分かりにくい部分が有る。(ロジックの正否をロジックで判断する)
また、福島での原発事故に関連した当時の東京電力首脳の津波に対する認識についても、特大津波に対する発生認識度合は当事者の作り上げたロジックの精緻と、言い変えるられるのではないでしょうか。

ただし、ロジックで成り立つ社会を否定している訳ではなく、自分の言葉で置き換えて納得できるか否か、を主張したいと思います。

参考資料 :
G7、デジタルサービスの消費者保護で指針 「GAFA」阻止狙う 日本経済新聞 2019/03/12付記事